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九条が資料室の前までくると、彌生たちを一瞥してから扉を開ける。
ホコリ臭さが漂うそこは、カーテンを閉め切っており、真っ暗だ。
電気をつけるとパッと明るくなったように感じた。しかし、室内には荷物が詰められた棚がいくつも備わっており、細部はそれほど明るさを確保できていなかった。
九条は奥に進み、彌生たちを呼びつけた。
棚からガバッと教材を取り出すと、生徒一人一人に結構な量の教材を持たせて、教室に戻るよう指示した。
彌生は教材の量にギョッとした。
しかし、周りはそれほど驚いている様子はなかった。教材を渡されても、みなそろって平気な顔をしていた。
弱そうな見た目の岩見ですら、軽々と運んでいる。
なので、教材の重さなんてそんなもんかと軽く見ていた彌生だった。
が、彌生にとってはかなりの重量であった。
彌生は人生でほとんどこんな量の本を持ったこともなく、一度運ぼうと挑戦したものの、ぷるぷるとしてその場から一向に歩けなかった。
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