序章 学生生活のはじまり

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 すると、スッと手が上げたのは、意外にも岩見であった。  岩見は彌生にとって弱々しいイメージであったので、クラスのまとめ役を勝って出るとは思わず、目を丸くしてしまった。  それは九条も同じようで、ちょっとだけ眉を上げたあと、 「他に立候補がいないため、岩見に任せる。なら岩見、こっから進行してくれるか」  と言って岩見に資料を差し出した。  はい、と短く返事をした岩見は、資料を受け取り、教卓に立ち、生徒たちを見下ろした。 「では、副委員長を決めたいと思います。やりたい人は手を挙げてください」  と岩見が言うと、ザッと一斉に手が上がった。  まるで軍隊のように、ビッシリと手を伸ばした人が、ひぃふぅみぃよぉ……軽く十人は超えているだろうか。  そんなに副委員長とは人気の役割なのだろうか、と彌生は不思議に思った。
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