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他の委員は挙手だけではなかなか決まらず、九条の巧みな話術によって副委員長や風紀委員会に挙手した人の中から選ばれることとなった。
それでも、委員会を担うはずの数人が足りない状況になり、クラスは静寂に包まれた。
話し合いを長引かせるのが好きではない彌生は、少し興味のあった環境・美化委員に手を挙げた。
そして、英加にも何か委員会をしないかと声をかけた。
英加は少し嫌がったが、選挙管理委員会に手を挙げてくれた。
あと一人、環境・美化委員が必要だと言うところで、手を挙げたのは、岸江だった。
「では、もう一人は岸江くんで決定します」
と岩見が言い、黒板の環境・美化委員会という項目のなかに、『岸江』と記す中森。
クラスの役割が決まった瞬間であった。
ところで、岸江が委員会をするとは意外であった。
彌生は、彼の明るい茶髪や、制服を崩して着用している様子から、面倒なことを嫌う人なのだろう、と判断していたからだ。
しかし、せっかく隣同士の席で、同じ委員会に入ったのだ。
親しくなった方が賢明であろう。
彌生はもう一度勇気を出して、岸江に話しかけた。
「朔弥くん、同じ委員会やな。嬉しいわぁ。」
「……あぁ」
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