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「シソがよく効いてて美味しいよなぁ」
「いや、はちみつ」
「ハチミツ?! ぼくシソしか食べたことないかもしれん」
朔弥は顔をしかめて、答えた。
「シソはすっぱすぎて、無理だ」
「ふふ、食べれへんの」
彌生たちはこれまた楽しく帰ることができた。
学園寮に着くと、新入生の部屋割りが張り出してあった。
ここで予想外なことに、彌生と岸江は同じ階に部屋があった。
部屋は流石に別々であったが、同じ階である。
それが結構が嬉しくて、彌生はご機嫌になった。
彌生と岸江はそれぞれの部屋に別れ、彌生はいよいよ三年間をともにする寮の自室に来た。
オートロックの暗号を入力すると、カシャという音が鳴った。
寮は校舎と異なり、明治維新っぽい雰囲気はあるものの、近年つくられたものである。
見た目はモダンだが、システムは最新。
おしゃれな高級ホテルとも見紛うような、超一級の設備がそろっていた。
寮の各部屋は、二人一組ではではあるものの、お互いの共同スペースの他に、小さな自室が確保されている。つまり、一人の時間を過ごすことができる。
彌生は何気に、この寮生活が一番の楽しみであった。
一人暮らしに近い生活など、まるで経験がない彌生は、自分でなんでもするという状況がとても楽しみなのだ。
朝、夕は食堂でご飯を食べることもできると聞いている。
それも楽しみの一つであった。
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