序章 学生生活のはじまり

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 現れたのは、可憐な見た目の男子生徒だった。 「ホントだ。早いね、シュン」  彌生は目を見張る。  それは、部屋に入ってきた可憐な男が、二人いたからだ。  彼らは二人そろって靴を脱ぎ、二人そろって彌生の前に立った。  彌生は、二人がそっくりな見目であることにも驚いた。が、寮の部屋は各二名づつ配置されると聞いていたので、二名現れたことにも驚いていた。  何かの間違いか……? 「ビックリしてるね、シュン」 「ビックリしてるね、ハル」  彌生が困惑していると、彼らは顔を見合わせて、彌生の様子を見ながらくすくすと笑った。 「このままからかう? ハル」  彌生から見て右の男が、いたずらっ子のような顔をしてこちらを見た。 「それはやめよう、シュン。まずはご挨拶、でしょ?」 「それもそうだね、ハル。ご挨拶しよう。じゃあハルからどーぞ」 「いやいや、シュンからどーぞ」 「えぇ」  右の男が、いやそうな顔をする。左の男がそれを諌めた。 「ほら、ご挨拶して」  右の男は彌生を見ると、ふと柔らかい笑みをつくって挨拶をした。 「諏訪(すわ)家の嫡男、諏訪(すわ)春人(しゅんと)と申します」 「同じく。諏訪家の次男、諏訪晴人(はると)と申します」
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