友達は選びなさい

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友達は選びなさい

 学生時代、パパもママも私の素行の悪さを知っていた。  無断欠席⋯⋯パパ活⋯⋯無断外泊⋯⋯浪費癖⋯⋯成績低下⋯⋯。  傍目に見て分かるのだから、自分自身で自覚がないわけもなかった。  だからパパもママも言い続けた。 「友達は選びなさい」って。  それでも私は悪友とつるみ、犯罪にはならない悪さをし続けた。  ろくな進学はできなかったし、ろくな就職もできなかった。  今では独身貯金ゼロ恋人なし、慎ましやかな生活を守るため働きまくる毎日⋯⋯。  よく考える。  あの頃、親の言うことを聞いて友達を選んでいたら。  あの頃、こんな未来になると分かっていたら。  あの頃、立ち止まって俯瞰して見れていたら。  全部たらればだけど、要するに「たった一回でも、ちゃんと人生を考えられていたら」。  あと一回、人生をやり直せたら。あの頃の悪友と縁を切っていたら。  あと一回でもいいから人生をやり直せたら。私がちゃんと未来を見据えていたら。  だけど怠惰に流されやすい私は、あと一回人生をやり直せても、同じ未来になっていたような気もする。  私の人生は、未練と後悔を繰り返すためにあったようなものだとよく思う。
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