18人が本棚に入れています
本棚に追加
友達は選びなさい
学生時代、パパもママも私の素行の悪さを知っていた。
無断欠席⋯⋯パパ活⋯⋯無断外泊⋯⋯浪費癖⋯⋯成績低下⋯⋯。
傍目に見て分かるのだから、自分自身で自覚がないわけもなかった。
だからパパもママも言い続けた。
「友達は選びなさい」って。
それでも私は悪友とつるみ、犯罪にはならない悪さをし続けた。
ろくな進学はできなかったし、ろくな就職もできなかった。
今では独身貯金ゼロ恋人なし、慎ましやかな生活を守るため働きまくる毎日⋯⋯。
よく考える。
あの頃、親の言うことを聞いて友達を選んでいたら。
あの頃、こんな未来になると分かっていたら。
あの頃、立ち止まって俯瞰して見れていたら。
全部たらればだけど、要するに「たった一回でも、ちゃんと人生を考えられていたら」。
あと一回、人生をやり直せたら。あの頃の悪友と縁を切っていたら。
あと一回でもいいから人生をやり直せたら。私がちゃんと未来を見据えていたら。
だけど怠惰に流されやすい私は、あと一回人生をやり直せても、同じ未来になっていたような気もする。
私の人生は、未練と後悔を繰り返すためにあったようなものだとよく思う。
最初のコメントを投稿しよう!