再開の約束

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___________________________________ 美波へ 久しぶりだね。突然この手紙を受け取って驚いていると思う。僕も、君にこうして連絡を取るのがこんなに遅くなってしまったこと、申し訳なく思っているよ。 あれから、僕たちはそれぞれの道を歩んできたね。東京での生活はどうかな?忙しい日々を送っているだろうと思うけれど、美波ならきっと頑張っているはずだ。僕も地元で仕事をしながら、日々を過ごしている。だけど、君のことを忘れたことは一度もなかった。 僕はあの冬の日に君と交わした約束を、ずっと心に留めてきた。君も覚えているかな?「あと一回でいいから、また会おう」と言ったあの日のことを。 僕たちはその約束を果たせる日が来ると信じてきた。そして、ついにその日が訪れたと思うんだ。 再会の日を決めたんだ。八月十六日、美波の誕生日がちょっと過ぎた日。 あの公園で会いたい。僕たちが最後に一緒に過ごした場所だよ。もし、君も同じ気持ちなら、そこで僕を待っていてほしい。 美波、君に会えることを楽しみにしている。そして、今度こそ、僕たちの未来を一緒に歩むことができたらいいなと思っている。 君に会うのが待ちきれないよ。 兼より ___________________________________ 手紙を読み終えた私は、胸がいっぱいになり、目頭が熱くなった。あの日の約束が、こんなにも長い年月を経て、再び私の前に現れたことに、運命を感じずにはいられなかった。 「兼…」 私は手紙を胸に抱きしめ、涙を流しながら微笑んだ。彼との再会の日が決まったことで、私の心には希望が湧いてきた。そして、その日が来るのを、待ち遠しく思った。 私はその日までの時間を指折り数え、兼との再会を心から楽しみにするようになった。どんなに忙しい日々でも、彼に会うその瞬間を思うと、全てが輝いて見えた。 そしてあの公園で兼と再会し、二人で新たな未来を歩むことを強く決意した。
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