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スーパーを出ると、外は赤かった。かつて人間だったものの死体が転がっていて、たまにまだ生きているのもいて、ギャーギャーうるさくて、側溝のふたが取れていて、中でドブネズミがおぼれて死んでいた。私は深呼吸して、鉄と腐乱臭のいい匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
家に帰ったら、ケンちゃんはドロドロだった。
「うわぁ! どうしたのその顔」
「お前がやったんだろうが」
片目のないケンちゃんが、睨みつけてきた。語気が弱弱しく、これ以上暴言が出ないところを見ると、あまり元気がないみたいだ。
「あ、そうだったね……でも、それにしても」
皮膚が、泥みたいに溶けているなんて。これじゃあまるで……ううん! ぶんぶんと首を横に振った。ケンちゃんはまだ大丈夫。
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