命日

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 コンビニに着いたのは、日が暮れ始めた頃だった。  コンビニのある場所は、高尾インターのすぐ近くだ。  俺が住んでる北八王子からは、車でも30分はかかる。  北八王子駅から電車に乗って、高尾山口駅まで約20分。  そっから、俺は徒歩でインター前のコンビニに行くことにした。  15分くらい、トボトボと歩いた。  まさか…  そう思える光景は、普段の生活でそんなに起こることじゃない。  今までの人生は平和で過ごしてきたつもりだし、何か特別なことが起こるようなことはなかった。  いい意味でも、悪い意味でも。  アイツが事故に遭ったって聞いた時も、最初は「夢」じゃないか?って思えたんだ。  それくらい、何気ない日々を送ってた。  今頃、アイツは何してるかな?  コンビニに行きがてら、ずっと考えてた。  「いつか事故するぞ」って笑いながら、アイツに言ってた。  まるで昨日のことのようだった。  ガラの悪い服装や、茶色に染まった髪。  ダボダボのズボンに、スタンドカラーのタンクトップ。  アイツん家に行けば、また会えると思った。  入り浸ってた先輩のバイク屋に行けば、入り口のベンチに座ってタバコを吹かしてる姿が、すぐ目に浮かんだ。  ラインを見返してた。  過去のトークの画面を。  そうこうしているうちにコンビニに着いた。  店内には、1人の男性客がいた。
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