ー真希ー辛い

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ー真希ー辛い

ハル君、どうして? 何がいけなかったのか考えても分からない。 どうしてそうなる前に頼ってくれなかったの。 彼が自分を傷つけてしまった。 凄く痛かったに違いない、跡だって残る。 ちゃんと傍に居れば····· 声をかけてたら、救えたかもしれないのに。 今更、どんなに思ったところで何も変えられない。 もう、遅い。 違和感があったのに見逃そうとしてた。 あの笑顔は、気づいてほしかったんだと思う。 きっと助けて、凄く辛いって伝えようとしてたかもしれない。 でも彼は優しいから切り出せなかったんだ。 あの時気にかけなかったから、ハル君は自分の気持ちに押しつぶされてしまったの? あんな、表情させてしまったのは私のせい。 全部、全部。 私のせい。 私が悪いんだ。何もかも。 忍さんにも言われてしまった。これ以上、関わらないでくれって。 迷惑かけてしまったんだ。 もう、ハル君とは……さよならなんだ。 辛くて辛くて、胸が苦しい。あの時からずっと思い出してばかり。 優大君は仕事が忙しくなるみたいで頼れない。 心配してくれてるけど今、傍にいて欲しい。 相談したかった。この悲しい気持ちを聞いてほしいのに。 他に頼れる人なんて居ない。こんな重すぎる悩み、友達に話せない。 もう、どうしたらいいの? 全部を忘れてしまえばいい? そんなの出来ない。 簡単に忘れてしまう程、私は冷たい人間じゃない。 1人でずっと泣くしかなくて。 悲しくて涙を流したくないのに勝手に溢れてくる。 私ってこんなに弱い。だからハル君を守れなかった。 本当にごめんなさい。 許されるなら、もう1度ちゃんと謝りたい。 そうじゃないと気が済まない。 でも、もう会うのすら不可能だから。 どうすることも出来ない。 ふと、藍来の顔が浮かんだ。彼だったら話をちゃんと聞いてくれる。それで優しく、大丈夫だよって言うはず。 久しぶりにエンジェルフェザークォーツのブレスレットを出してみる。 やっぱり以前より重さが軽くて、居なくなってしまったのを改めて実感した。 凄く寂しくなってまた涙が零れる。 優大くんからもらったネックレスを外して、ブレスレットを再び身につけた。 あの頃には戻れないよね…… またネガティブになってしまったから、シトリンタンブルに元気をもらおうとしたら、ない。 少し部屋の中を探したけどやっぱり見つからない。 もう駄目だ。 ベッドでうずくまり、声をあげて泣くことしか私には出来ない。
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