ー真希ー壊れていく

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一体何を考えてるの? 信じられない。 私と忍さんが? どうして? 「じょ、冗談ですよね」 「冗談な訳あるか。真希さんに拒否権ないからね。もし、拒んだら警察や晴にバラすからな」 「なっ!? 」 「因みに言っておくけど、真希さんを好きな訳じゃないから。晴の弱点だからね、あんた」 意味がわからないよ。メンバー思いで優しい忍さんがそんなこと言うなんて。 ハル君は確かに私を好きすぎる所があるけど、それは別に弱みでもなんでもない。 忍さんが、私を馬鹿にしたように笑った。 「オレさあ。実は晴が嫌いなんだよね。正直言って消えてほしい。だからあんたとヤッたらさあ、晴が頭おかしくなるだろうなって。あいつバンドを1番に考えてないから腹立つんだよ」 「ふざけないでください。忍さんに従うなんて出来ないです」 「じゃあ、ストーカーしなきゃ良かったじゃん。言ったよね、拒否権ないって。従うしかないんだよ。じゃなきゃあんたの人生終わるよ。悪い奴に悪いことしたって文句を言えるはずないよな?自分がした行いが間違ってるんだから」 そんな考えおかしい。私が悪い人だとしても、酷いことするなんて許されるはずない。 「い、いや……っ」 手首を強く掴まれて痛い。 「嫌がられると、そそるわ」 「ハル君を嫌いにならなくたっていいじゃない!」 「だってみんなバンドに命かけてんのに、あいつは女にうつつ抜かしてるから。分かんないよな、オレの気持ちなんて誰もさあ」 そんな言い方しないでほしい。ハル君はきっとバンドの為に頑張ってるんだから。 「乱暴に抱かれたって、何も言えないよな。抵抗すんなよ」 押し倒されて、無理やり触られる。 凄く痛い、心も身体もバラバラになりそう。 こんなの嫌、嫌だ。 泣いても止めてくれない。 ストーカーなんてしなければよかった。 後悔したところで遅い。 忍さんに強引に抱かれた。 何もかも汚れてしまう。 傷つけられたって仕方ないよね。ハル君に嫌がらせしてたんだから。 バチが当たったんだ。 涙が止まらないのに、更に私をめちゃくちゃにしていく。 もう、いいや。私が悪いんだから。 心を押し殺しながら耐えるしかなかった。 いっそ、消えてしまいたい。
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