ー藍来ー昔話

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俺も晴も真希が何より大切。 その気持ちだけで生かされてる。 だから凄く感謝してる。ありがとう。 いつも、真希を大切に思ってるよ。 本当に大好き過ぎて、たまらないんだ。 いつも真希を傍で守りたい。 真希が心から幸せになるのを誰よりも願ってる。できることなら、俺が全力で真希を幸せでいっぱいにしてあげたい。 愛してる。真希。 話せることは話した。全てではないけれど。 まだ、話さなければならないことがある。 でも今じゃない。 話を終えると、優しく抱きしめてくれた。 藍来もハル君もありがとうって。 俺を選んでくれる? そう問いかけると彼女は揺らいでるみたい。 私をここまで大切にしてくれるのは、俺しか居ないって言ってくれたけれど。 俺が恋人だと不安があるのかな。 真希が話してくれた。優大さんのスキャンダルの件はニュースで知っていたが、凄く辛かっただろう。 忘れさせたい。あんな簡単にスキャンダルになるような人と一緒に居たら、真希が不幸になる。 バンドを止めてソロでやっていく話もした。 憎い忍をボロボロにしといた。もう近づかないように。 それだけじゃ駄目だからメンバーから抜けてやった。 応援してるって彼女が微笑んでくれたから頑張れる。 真希が傍に居てくれるなら、きっと俺は強くなれる。 俺1人だけではどうにもならないが、真希が居てくれるなら。 守りたい、その思いだけで人は変われる。 変だよな。そんな大切なこと死んでから気づくなんて。 死ななきゃよかった。 自分のした過ちに酷く後悔しては、戻れない時を残酷に思う。 難しく考えがちだが生きてさえいれば、幸せになるのは案外簡単かもしれない。 もっと、生きていれば…… 人生を諦めるにはあまりにも早すぎた。 何で、もっと自分を大事に出来なかったんだろう。 真希が俺の存在を大切にしてくれるまで、分からなかった。 どん底に落ちて知る命の重さ、死んでから気づいたって遅い。 あまりにも遅すぎたよ。 晴になったのは利用したいだけじゃない。 もう1度やり直したかったんだ。 俺は、愛されたくて彼の人生を動かした。 晴には幸せになってもらいたい。正しく生きられなかった俺の分まで。ここまでは導いたんだ。 あとは晴次第だ。 真希と一緒なら、幸せなのに。 だから、真希が晴を選んでくれたらな。
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