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「むかしむかし...」  あるところに若い少年がいた。少年は向かいのコンビニをみてため息をついた。なぜなら少年はなんでも出来た。しかし、どれも上手くはなかったからだ。いわゆる器用貧乏というやつだ。そして彼は全てか普通だった。身長や体重、テストの点数、足の速さ等々。そんな彼にも一応特技はあった。それは何となく人の感情が読めることだった。彼はその特技を活かして適宜気を配った。  そのおかげで彼にも春が来た。元々みんなから好印象だった彼はみんなから祝福された。彼はとても喜んでいた。体裁は保ちつつも幸せに浸っていた。しかし、その幸せは終わりを告げる。恋人ができたあとも周りに心を向け続けた彼は恋人が嫉妬し、振られてしまった。彼の心は1つ細く、暗くなった。その後も、恋人が出来ては別れを幾度か繰り返した。その度に心の明るさと赤みを費やしていった。そしてついに心は随分と暗く青く、鋭利になってしまった。
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