心をくれると思っていた

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「もういい加減にしろよ、陽愛」 「離して、大雅にはわからないよ」 大雅にはわからない。 皇雅人がNo.1の座に居続けられる理由が……。 ううん。 みんなが、皇雅人に惹かれる理由が……。 「いくら使っても、いくら捧げても。雅人さんは、振り向いてくれないよ」 「がいるからでしょ?」 「陽愛」 「そんなの皆知ってるよ。雅人君のお姫様達は全部わかっているんだよ。話しそれだけなら帰るから。バイバイ」 汚れていくのは、体だけじゃない。 磨り減って汚されたこの心。 「陽愛♡お帰り」 「来てたんだ」 「来てるに決まってるじゃん。大好きな陽愛の家なんだから……。お金、用意出来たの?」 「もうちょっとかな」 「そっか、そっか。クリスマスイベントに打ち上げ花火あげてくれるんでしょ?」 「その為に、出稼ぎしてる」 「やっぱり、陽愛はいい子だね。出会った時から、俺は気づいていたよ」 皇雅人は、私の頭を優しく撫でる。 特別なイベントにしか呼ばれなかったから、私は雅人君のだと思っていた。 だけど、それが違うと気づいたのは雅人君の取り巻きの一人の穂波ちゃんが自殺未遂をした時だった。 本命には、 穂波ちゃんは、あるお店のNo.1ホストのその言葉を聞いてしまったのだ。 その日穂波ちゃんは、自分が皇雅人のではない事を知った。 私と同じで、穂波ちゃんも捧げていたのに……。 ずっと、皇雅人に……。
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