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◯
正面玄関の所まで行くと、そこには人だかりができていた。
どうやら校舎の壁にクラス発表の紙が貼り出されているようで、新入生たちはそれぞれ自分の名前がどこにあるのかを探している。
「あ。俺、A組だ」
ずらりと並んだ名簿の中に、『七嶋八尋』の文字を見つけた。
俺が呟いた数秒後、隣の乃々は元気のない声で言った。
「わたし、C組だ。……八尋くんと離れちゃった」
しゅんとする彼女の様子に、思わず苦笑する。
「家に帰ったらいつでも会えるだろ。そんな顔するなよ」
つい普段の調子で俺が言うと、周りの数人がちらりとこちらを見た。
先ほどと同じ、野次を飛ばす視線だ。
(やべ)
クラスもわかったことだし、さっさとこの場を離れたい。
「と、とりあえず教室に向かうか」
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