魔法部隊への道

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*  森の中を僕たちは進んでいた。  情報班による調査により小型竜のいるとされる大まかな箇所は判明しており、詳細な位置を知るためとして、このチームには「探索」に優れた高等学院生のカイトがいた。 「この辺に……いるかも……近いです」  山の中腹に入ったあたりで、カイトが言った。  カイトの魔法は空中に浮かぶ水晶玉のようなものを出すことができる。透明な球の中に水が半分ぐらい入っていて、魔物などが近くにいるとその水面が揺れるのだ。  僕たちも球を覗きこむと、たしかにさざ波が立っていた。 「出たか。カイト、どっちの方向?」  僕が尋ねると彼は目を閉じた。 「竜の識別があるのは……こっち……二時の方向に……」  みんながカイトから見て二時の方向、右斜め向かい側に視線を移した。 「よし、行こう」  僕の言葉にみんなは「了解」と返答し、その方向へと歩き始めた。  
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