魔法部隊への道

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*  チーム内で歓声があがった。 「さすが、ユーリ。最後の魔法が一番効いたな」  救護班のラファイエが笑顔で言ってくれた。 「いやいや、みんなが追いつめてくれたからだよ。あの大技は溜める時間がいるからね。みんなの勝利だよ」  実際、僕の魔法は一番詠唱に時間のかかるもので、足止めしてくれる時間がなければ放つことはできなかった。 「さぁ、そんなことより、生体反応を確認するぞ。最終確認が大事……ん?」  僕が次の指示を出そうとしたとき、頭上が急に影に覆われた。大きな雲の下にでも入ったかのように。  雲?  なんとなく違和感を覚えた僕は空を見上げた。  そして、目を疑った。 「何あれ……」  誰かが呟く。銀色のいかにも滑らかな皮膚と六つに連なる大きな翼を持った巨大な身体がゆっくりとこちらへ降りてきていた。 「でけぇ……」  ラファイエが少し震え気味の声で言った。  僕は唾を飲みこむ。  あれはなんだ。僕の頭の理解が追い付かない。いや、。  あれは――、巨大な竜だ。   
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