【完結】私のものを欲しがる異母妹には、大事なものは触らせません

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 優月が泣き止むと、由紀也は優月をベッドに案内した。  優月も疲れ切ってすぐに横になりたかった。 「端っこで邪魔にならないように寝るわね」 「真ん中で大の字になって寝ていいよ」 「由紀兄さんはどこかに行くの……?」  優月は不安になって訊いた。 (いや、ひとりになりたくない……。そばにいてほしい……) 「どこにもいかないよ、ソファで寝る」 「一緒じゃダメなの? ベッドは広いわ」 「それはダメだ。俺はソファで寝る」 「じゃあ、私がソファで寝る。私がベッドで由紀兄さんがソファなんて、そんなのいけないわ」  優月は由紀也の持つブランケットを持つと、リビングに戻りソファに横になってそれを被った。  つらい現実から逃れるように、すぐに意識を手離した。 *  夜半、優月は魔物に襲われる夢を見て目を覚ました。 (いやああっ……!)  魔物は隆司の顔だったり市太郎の顔だったりした。 (だれか、だれかたすけて……!)  優月はソファから飛び起きた。周りを見回して、由紀也の部屋にいることに気づいて胸を撫で下ろした。 (由紀兄さん、そばにいってはダメかしら)  寝室に向かえば由紀也は眠っていた。由紀也の寝顔に涙が出てきた。 (由紀兄さん、何度も助けてくれた。由紀兄さんのそばは安心するわ……)
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