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「さて、最後は嬢ちゃんと嬢ちゃんの彼女な!」
火の玉屋のおじさんは、いつも最後に俺を持ってくる。最近は薫蘭風ちゃんも一緒だ。
「おじさん、なんでいつも俺を最後にするの?」
「そんなの締めに相応しいからだよ。俺は火の玉屋を店じまいするつもりだったのに嬢ちゃんが毎年楽しみに来てくれるからもう閉めらんないしな!」
「ふふ。来年くるよ」
「おうよ! あと、お兄さんな!」
火の玉屋のおじさんは、俺と薫蘭風ちゃんのろうそくに火を点ける。
「わぁ今年も会えたね。僕ねぇ、薫蘭風ちゃんのご先祖様とこの一年BLの話してたんだぁ」
俺のご先祖様はいつも通り俺の膝の上に乗り爆弾発言をした。
薫蘭風ちゃんのご先祖様も薫蘭風ちゃんの膝の上に乗る。
「男体化チョコレートもあるみたいだし、リアルBLもできるねって話をしてたのよ!」
薫蘭風ちゃんのご先祖様も爆弾発言をする。
「あの……ご先祖様たち、何を期待してるの?」
「ん? 君らが幸せならいいなって。僕はただ薫蘭風ちゃんのご先祖様に薫蘭風ちゃんの性癖を聞いていたんだ。問題ないかなって。ま、問題なさそうだよね。瑠璃くんは薫蘭風ちゃんのお願い聞きそうだし」
薫蘭風ちゃんが鼻を抑える。鼻血出たのか……。
「まぁリアルBLなんて、ただの話のタネでしかないから。可愛い子孫たちをからかう話題を話し合っていただけよ」
薫蘭風ちゃんのご先祖様の打ち明けに胸を撫で下ろす。
「瑠璃くん、安心しちゃ駄目だよ? 薫蘭風ちゃんにずっと好きでいてもらうためにはそんな覚悟も必要だろ?」
「もう!」
薫蘭風ちゃんは、俺のご先祖様を小突こうとしたが、ご先祖様はさっと避ける。
「さて、お参りに行こう。今年もご先祖様が可愛い子孫の安全と進展を祈るよ。ほら、瑠璃くん」
俺のご先祖様が俺に手を伸ばす。俺はその手を握る。
「安全と進展、欲張りにお願いしてよ」
薫蘭風ちゃんもうんうんと頷く。薫蘭風ちゃんのご先祖様も笑っている。
こうやって今年の夏も終わる。
と・く・べ・つ♪9 おしまい
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