友情復活

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友情復活

 謙吾と一夜の過ちを犯してしまったあと、私はすぐにメッセージをブロックした。もう二度と謙吾には会いたくないと思ったからだ。    ちょうど教育実習の準備で忙しく、余計なことを考える暇はなかった。  謙吾もインターンとしてグループ会社で働き始めたと聞いていたから、きっと忙しくしていたのだろう。    再会したのはつい最近のこと。  今年のお盆休みに聖堂館の同級生同士の結婚式があったのだ。私は新婦に、謙吾は新郎に招待されていた。    久しぶりに会った謙吾は、顔の半分を髭が覆う熊男になっていた。びっくりしたなんてもんじゃない。  最悪な別れ方をして、こちらからブロックしたのにもかかわらず、思わず声をかけてしまった。   「ちょっと、どうしたのよその髭面! 熊男みたいじゃない」 「糸……」 「俺も久しぶりに会ってびっくりしたわ。謙吾お前、会社でイエティって呼ばれてんじゃねーの?」    私の問いかけに、参列していた同級生の西田くんも同調してきた。   「周りはもう見慣れている。俺は目つきが悪いからよく似合っているそうだ」 「……それ、褒められてないと思うよ?」 「プハッ……だな。お前、今何してるんだっけ?」 「うちのグループの人材サービス会社を任されている。兄貴たちが面倒がってるところを押し付けられた」 「ああ、なるほど……。けど、登録者やクライアントに怖がられないのか?」  それは私も気になった。
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