プールサイドビアガーデン

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プールサイドビアガーデン

『今日ビアガーデンに行くか?』    と、突然の誘いがあったのは、映画を見てから2週間後のことだった。  ビアガーデンには7月の職員行事で行ったきり。今年は9月末までやっているということは知っていた。  まだまだ9月と言っても暑い。  あのむわっとした空気の中で、キンキンに冷えた入れたてのジョッキを傾ける瞬間を思い出す。   『行く』    と返信すると、すぐに『迎えに行く』と返信があった。    なぜ?  待ち合わせすればいいんじゃないの?    そう思ったが、午後の授業が始まりそうだったので、スマホの電源を切ることにした。    放課後になって、再び電源を入れると『17:30に西門を出たところで待ってる』と入っていた。  本当に迎えに来るようだ。これはどういうことだろう。  西門を出たところに黒のゲレンデが停まっていた。謙吾にぴったりの車だな、と思いながら車高の高いその車に乗り込む。    車を走らせること20分。着いた先は大阪の一等地にあるラグジュアリーなホテルだった。   「私、いつものビアガーデンだと思ってた……」 「ここのビアガーデンがいいらしい」  
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