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ファーストフード店を出て、レンタルショップに寄った後、一成とは別れた。夏休みに一緒に遊ぶ計画も立てられて、今日は大満足だ。
借りたDVDは、大ヒットした有名漫画の実写版映画だ。明治維新の頃を舞台に、比類なき強さの剣客が活躍する物語だ。好きだから何度も見たけれど、一成が今度一緒に見たいって言うから、また借りてしまった。
まあ、いいか。気を遣ってくれたんだな。
でも……もし一成が、『俺様』なんて言い出したら、ドン引きして友達をやめるかもしれない。
思い上がるなよ、それはまやかしの強さだ。
一成はそう言いたかったに違いない。
僕が『俺』と呼ぶのは反対はしない。でも一成は、言葉の強さに自惚れないよう釘を刺してくれたのだ。
やっぱりいい奴だな、そう思ったときだった。
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