七夕

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 篝火(かがりび)が焚かれたカイザーラング砦も、日本の都会と比べれば、綺麗な星空が見える。  屋上や見張り台なんて見所には、ポツポツと恋人たちが星空を見上げとる。 アズサ「すごい天の川やなぁ...神戸では山にでも行かんと見れんで」 ラサ「そやね。プラネタリウムならあるけど、こんな星空を直で見たんは初めてかもしれんわ...しかも、愛するあーちゃんと一緒に」 アズサ「ホンマ、恥ずいコト言いよるなぁ」 ラサ「星が多すぎて、どれが織姫と彦星か分からんなー。そもそも、天体の配置が日本と同じに見えるんかも分からん」 アズサ「天の川があるんやから、同じか似てるんやろね」 ラサ「これ...プレゼント」 アズサ「七夕にプレゼントの風習なんてあったん? ゴメン、なんも用意してへんわ」 ラサ「ちゃうて、あーちゃん。今日、20歳の誕生日やろ? 僕が前世も今世もエイプリルフール生まれやって教えた時に、教えてくれたん覚えてた」 アズサ「マメやなぁ...ありがとう。なんやろ、開けるで?」  僕は頷く。  素朴なブレスレットやけど、防護(プロテクション)効果がある。  あーちゃんは、左手に通して魅せてくれる。  貧乏人の僕には、これで全財産や。
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