暗転

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 斬って斬って斬って斬って...。 キリキリ『血と狂乱の宴よ...』  暗闇の中を疾走(はし)る。 ムザン『嗚呼、我が背...』  まとわりつく血煙の中、赤黒い刃が閃く。  ゼェハァと荒い呼吸...片っ端から斬って斬って斬りまくる。 キリキリ『吾妹よ、何処(いずこ)へ...?』  逃げ出そうとした足を掴まれる。  血塗れな手の群れが迫りくる。 キリキリ『全てを捨て、頂点を目指すも、また一興』  再び、赤黒い刃が閃く。  亡者共の手を斬り払う不快感は、やがて快感に塗り潰されていく。  暗闇と血煙の戦場を駆け回り、斬って斬って斬りまくる...。 <ZuSha...ZaShu...>  僕の意識が溶けていく。  斬る度に、大切な何かが消えていき、塗り替えられていく。
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