もう一人の転生者

2/6
前へ
/193ページ
次へ
 魔の森の木々の高さは、平均30mはあって昼間でも薄暗い。  近づくに連れて重力が増す、大木を薙ぎ倒すのは全長50mはありそうな重力竜(グラビティドラゴン)! ラサ「これは...身体が激烈に重い!」 左近「龍覇逆鱗突き!」  視認できる距離で、すでに重力が五倍くらいになってて近づけん。  重力波の中でも、左近さんは、逆鱗を見破り、村正を突き刺す。 ラサ「イカス!」  まさかの一撃必殺。  重力フィールドが消滅して、身体が軽くなる。 女性「た、助かった...んやね?」  悲鳴を上げていた女性は、へたりこんだまま、こちらを振り向いた。  フレームレスの眼鏡が似合うショートボブ...ズキューンと胸が高鳴った。 ラサ「僕は、ラサ・アッシュ。お手をどうぞ」  彼女は少し戸惑ったが、僕の手を取って立ち上がった。  僕より頭一つ分くらい背が低い。 女性「ありがとう...」  20歳前後のハムン族やろう。 ラサ「僕は何もしてへんけどな...怪我なイカ?」 女性「大丈夫...やで!?」  彼女の口から、関西弁のイントネーションが発せられた。 ラサ「そんなに驚いて、どないしたんや?」 女性「その、腰から...ゲソ?」 ラサ「ああ、僕は水の民カラス賊やねん。サイボーグやったり、色々ツッコミ所あるかもやけど、色々な種族が人類として共存してるんやで」
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加