数カ月後

9/9
前へ
/388ページ
次へ
ラサ「エリーユさんも、ここまで一人旅とは、相当な実力者やな?」 エリーユ「呼び捨てで構わないわ。情報組合(インフォメーションギルド)の情報と隠密技能を駆使して、戦闘は最小限にだけどね」  インフォーションギルド、通称シーフギルド。  盗賊(シーフ)義賊(ぎぞく)忍者(ニンジャ)など、密偵職(スカウター)しか入れない情報屋。  金さえ払えば、どんな情報でも手に入る。  逆に情報を売る事もできる。  シーフギルドは治外法権、国家の干渉を許さない、大陸全土に張り巡らされた情報機関。  パーティに一人は欲しい鉄板職。  冒険者にしろ傭兵にしろ、今回の敵パーティのように役割分担をした編成が一般的。  左近師匠のように単独(ソロ)で修業する求道者は稀なんや。  僕とあーちゃんを弟子にしてのパワーレベリングは、左近師匠の成長を考えるとメタな話【経験値1/3】になるっちゅーこっちゃ。 ラサ「エリーユ。僕ら半端モンやけど、連れてってもらえるか?」  実際問題、僕とあーちゃん二人では、魔の森からの脱出も難しい。  それは、あーちゃんも理解しとるらしく、不承不承というカンジで頷いた。 ラサ「あーちゃんは、僕が守るよ」  魔の森から北のキシリ合衆国とは逆方向やけど、両親も戦死しとるし、慌てて故郷に帰る事もないやろ。 アズサ「ありがと...実力はウチとそんな変わらんけどな!」  空元気。  ホンマは、ここで左近師匠に(みさお)を立てて墓守でもしたいんやろな。
/388ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加