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不自然なまでに証拠を残すことに拒否感を訴えていたエステル。
あの時は単にアハシュロス公女に怯えているだけだと思っていたけど、現場を押さえられたら自分が困るから、あんなに必死になっていたんだな。
やっぱり、きちんと記録球で現場を撮影して証拠を押さえるしかなさそう。
問題は、記録球をどうやって手に入れるか……
その場の映像を記録・再生できる”記録球”は最近開発されたばかりの魔道具だ。最新の魔法技術と科学が融合して初めて実現された、僕たち治安維持に携わる者にとっては夢のような道具。
高価なだけではなく極めて貴重で、お金さえ出せばいくらでも手に入るようなものではない。
一つ手に入れるだけでも多額のお金と、それより何より強いコネが要る。
万が一にもエステルに気取られないよう、内密に用意しなくては。
……うん、ここは殿下の名前を出して、学内で協力してくれそうな人にお願いしてみる他ないだろう。
となると、頼りになれそうな人は……
明日登校したら、さっそく心当たりを回ってみることにするか。
その前に、騎士団に戻ったらすぐ上司に相談して指示を仰いでおこう。
これから忙しくなりそうだ。
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