一緒に住もうよ

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一緒に住もうよ

「……うん……だけど……」 「俺は薙がここに居てくれるんなら……薙の為に何でもするよ。 それに、家の心配だってしなくていいし、お風呂の心配だってしなくていいだろ?」  最後の方は冗談ぽく言う修斗。  その言葉に薙は、 「あ、お風呂……」 「そういうことだろ? 今時、逆に珍しいよね。 お風呂がない家って」 「いや、一応あるにはあるんだけど……一人で堂々とは使えない……って感じで」 「でも、気とか使って、自分が入りたい時に入れたりしない訳でしょ?」 「あ、まぁ……そうだね。 朝方帰って来ても確かに入れないんだよね。 水音とかあのおんぼろアパートだと周りに聞こえて迷惑掛けそうだしさ……だから、お風呂に入れなかったりするんだよね」 「そういうこと……だから、一緒に住むっていい案だと思わない? 薙は仕事もしなくていいんだからさ。 ただ、俺の仕事を仕事として割り切ってもらえればね。 俺は一切、女性には興味ないし……俺だって、仕事だって割り切って仕事してるからさ」 「うん! 分かった! 修斗がそこまで言うんだったら、僕は修斗と一緒に住むことにするよ」 「んじゃあ、決まりだね!」  そして修斗は改めて薙の方に向き直ると、 「とりあえず、これから、宜しく。 そう、さっきは色々とありすぎて忘れてたんだけど……俺達、恋人になれたのにキスもしていなかったよね?」 その修斗の言葉に薙は吹き出す。 「確かに……色々と順番が違うよね」 「小学生だった頃は恋人とかじゃなくて、遊び半分だった訳だし……で、薙は今まで誰とも付き合ったことはなかった訳? キスもしたことがないとか?」  修斗の言葉に薙は目をそらすと、 「だから……それは……僕的には……その……修斗のことが忘れられなくて……僕も女性には興味なかった訳で……」 「ま、そういうことか! 薙もファーストキスはまだだったって訳ね」 「……って、ことは!? 修斗も?」 「そういうこと……俺は女性とは付き合う気は一切なかったからね……だから、とっといたっていうのか? ま、たまたま初恋の薙に会えた訳だし、それはそれで、薙にとっといたって言うのかな?」 「ま、そういうことにしておくよ……」
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