日常(2)

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日常(2)

5分ほど歩き、大きいマンションに着く。 入り口には、人が立っていた。 「麗美ちゃん! おはよう!」 「おはよ。ここ、ろっわぁっ」 心が飛び込んできた。 「ちょ、危ないよ、、、」 「ふふふ。ごめんね?」 「いいけどさ。」 「やった!」 心が手に力を込める。 「あっ、もう。」 「おい。何してんだお前ら。」 「麗美ちゃんをチャージしてる。」 「心を抱きしめてる。」 「麗美のは見れば分かるが如月は意味分からんな。って、俺がそういうことが聞きたいんじゃなく、遅刻するぞって言いたいんだ。はぁ、」 麗織がため息を吐く。 「確かにそろそろ行かなきゃ。離して、心」 「えぇー。やだー」 「遅刻するぞ?お前、前に連続で遅刻して次やらかしたら宿題倍って言われてただろ。良いのか?」 「やだーー」 「じぁあ行こ?」 「うぅー」 心がしぶしぶ離れて行く。 「よし。」 「よしってひどくない⁉︎」 「ごめごめ。行こっか」 「ひどいー」 そんな風に3人で戯れてただけだった。 特に特別なことはしていない。 ただ、特別な日だった。 地面から、漫画でよく出てきそうな、魔法陣の様な模様の光が出る。 「わっ、何これ!」 「心!麗織!」 その時、勘なのか何か分からないが、過去、何度も命を救った第六感のような物が働いた。 私は咄嗟に2人の手を掴んだ。
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