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第二十話 銃撃と爆破
二○二六年 四月(半年後)
本当なら高校二年生を迎えるはずだった十六歳の四月、すっかりジャカルタの生活に退屈していて、インターナショナルスクールへの入学方法を模索しているところだった。その日は突然に訪れた。
お母さんが叫んだ。
「源治、大変! これを見て!」
そう言うと、お父さんにパソコンのモニターを見せた。
「嘘だろ……」
二人とも青くなっていた。
「何があったの?」
「クソッ、鮫島が俺達を見つけたらしい! 執念深いやつだ、既に追っ手をジャカルタに向かわせているようだ。それと……」
珍しく蒼白なその表情でお父さんは言った。
「金城が殺された」
「えっ、金城さんって、あの『偽造屋』さんの?」
「そうだ。スイスの銀行にいたところを、資金洗浄している組織グループに目をつけられたらしい。奴ら、そこまで嗅ぎつけていたとはな……。そして、金城が死に際に俺たちの行き先を暴露したと、そういう事だ」
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