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第二十一話 急襲
その夜、アジトに戻って皆で祝杯を上げた。真美と春菜はオレンジジュース、男たちはテキーラを楽しんだ。
「やったな源治! 作成は大成功だ!」
「ああ。これで奴らは相当な痛手を負っただろう。勲のトドメの一撃、正直当たるとは思わなかったぞ、大したもんだ!」
「お前こそ、あの船の揺れの中で飛行機を狙撃したんだ。大したもんだよ」
お互いに武勲を称えた。そこに平岡も入って来た。
「それにしても、猪熊さんと右京さん、良いコンビじゃないですか! 脱帽ですよ!」
「良いコンビだ? 腐れ縁だ!」
勲と俺の声がシンクロした。二人は顔を見合わせて笑った。そんな中、女性ふたり、つまり、真美と春菜は浮かない顔をしていた。
「源治、水を差すようで悪いんだけど、きっと仕返しされるわよね……。正直、怖いわ……」
「真美さん、そりゃ心配だよな。俺が代わりに答えよう」
ショットグラスに入ったテキーラを一気に飲み干した勲が言った。
「まず、安心して欲しいのは、俺たちの事はバレてねえ。そうすると、鮫島はバイヤーに裏切られたと見て、仲違いをするだろう。こちらに火の粉が降りかかる事はないだろう」
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