第二十一話 急襲

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「よし、源治、この戦いに終止符を打つ時が来たな」 俺たちはそのレストランのエントランスが見える建物を徹底的に調べた。そう、狙撃する為だ。すると、理想的な距離、射角、周辺環境のポイントを見つけた。建設中の建物だ。一日の工事は日が沈む頃には終わる。商談は夜だったので、好都合だった。これ以上ない絶好の狙撃スポットだった。次の一発で全てが終わると、そう思っていた……。  そこは打放しのコンクリートに四方を囲まれたところだった。十階だった。四角くぽっかりと空いた、これから窓をはめ込むであろう穴からスコープ越しに二百メートル先のレストランのエントランスを見下ろした。そこは絶好の撃ち下ろしポイントだった。狙撃手は俺が引き受けた。観測手は猪熊に任せた。 「妙だな……」 猪熊が言った。 「確かに……」 俺も同意した。時間になったのに、鮫島もバイヤーも現れなかった。 「真美さんに情報を再確認してもらおう……」 勲がそう言った瞬間だった。背後から何発もの射撃音が鳴り響いた。 「隠れるぞ!」 俺たちは駆け出して、むき出しのコンクリートの柱に身を隠した。勲の左腕から血が滴っていた。
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