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「鮫島め……。畜生!」
ボックスカーを運転する俺から悔しさが漏れた。
「あの大男、何者なんだ?」
「勲よりもデカかったな。あれが高峰ダグラス健介だろう」
アジトに戻ったが、すっかり荒れ果てていて、もぬけの殻だった。
「クソッ、遅かったか」
「源治見ろ!」
勲が指を差すその先には、血を流して倒れている平岡がいた。
「猪熊さん、お役目果たせず申し訳ないです……」
「しっかりしろ、もう喋るな! 病院に連れて行く!」
「いや、猪熊さん、俺はもうダメですよ……。それより、真美さんと春菜さんを……」
「ふたりは生きているんだな?」
俺が聞いた。
「連れて行かれました……。チャパラ湖の畔の……」
そこまで言うと、平岡は事切れた。勲は叫んだ。
「平岡! 平岡! うああああ! 畜生! 畜生!」
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