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「いや待て、クーラーボックスの数を確認してからだ」
「おいおい源治、俺の事、もうそろそろ信用してくれたって良いんだぜ?」
「これは商売だ。そういう甘ったれた事を言う関係になった覚えはないぞ。こっちも命がけでやってんだ」
「全く、源治はおカタいなあ……。おい、野郎ども、ここにクーラーボックスを集めろ。おやっさんからの命令だ!」
「おい勲、その呼び方はやめろ。俺はアイツらのおやっさんじゃない。本当の『おやっさん』は他にいるだろう」
「いやいや、アイツらも源治の事、リスペクトしているんだ。いつも抜かりなく厄介事を片付けてくれる。ある意味アンタは職人の『おやっさん』だよ」
「若頭! こちらです」
「おお、ありがとよ! 源治、どうだい? これで気は済んだか?」
確かに大型のクーラーボックスが二十四個あった。
「よし。それじゃあ、これは貰っておく」
そうして勲から札束を受け取って枚数を数えた。それはキッチリ二百四十枚あった。
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