第一話 海底に眠るモノ

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「いや待て、クーラーボックスの数を確認してからだ」 「おいおい源治、俺の事、もうそろそろ信用してくれたって良いんだぜ?」 「これは商売だ。そういう甘ったれた事を言う関係になった覚えはないぞ。こっちも命がけでやってんだ」 「全く、源治はおカタいなあ……。おい、野郎ども、ここにクーラーボックスを集めろ。おやっさんからの命令だ!」 「おい勲、その呼び方はやめろ。俺はアイツらのおやっさんじゃない。本当の『おやっさん』は他にいるだろう」 「いやいや、アイツらも源治の事、リスペクトしているんだ。いつも抜かりなく厄介事を片付けてくれる。ある意味アンタは職人の『おやっさん』だよ」 「若頭! こちらです」 「おお、ありがとよ! 源治、どうだい? これで気は済んだか?」 確かに大型のクーラーボックスが二十四個あった。 「よし。それじゃあ、これは貰っておく」 そうして勲から札束を受け取って枚数を数えた。それはキッチリ二百四十枚あった。
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