2人が本棚に入れています
本棚に追加
惚れ薬のレシピを知るきっかけになったのはとある噂だった。
女子の間で密かに流行っている噂で、その惚れ薬を相手に飲ませるとたちまち両想いになり、恋が成就するという内容だ。
実際、わたしに好意を寄せていた男子が突然、何の前触れもなく他の女子に夢中になったことがあった。おかしいと思い、後々その女子を問いただすと、惚れ薬を利用したとあっさり白状したのだった。
けれど、惚れ薬を使うなど、はじめはわたしのプライドが許さなかった。
だって、そんなもの使わずとも、男子たちは自ずとわたしの虜になるのだから。この美貌にたっぷりの愛嬌。わたしにそっぽを向く男子などいるはずがないのである。例外は惚れ薬を飲まされた男子だけだったが、わたしがほんのちょっとアプローチするだけで、彼の好意はすんなりこちらに帰ってきた。
なので、惚れ薬になど頼る必要がなかったのだ。
しかし、高校に入って状況が変わった。
最初のコメントを投稿しよう!