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同じクラスの佐藤くんだけはわたしのことを何とも思っていないようだった。他の男子たちはわたしに首ったけなのに、彼は女子に慣れすぎているのか、あるいはすでに想い人がいるのかわからないけれど、こちらを他の女子と同じように扱うのである。許せるはずがなかった。
そこでわたしは佐藤くんを帰り道に誘ったり、さりげないボディタッチをしたり、誕生日プレゼントをこっそり贈ったりして、こちらに振り向くように仕向けた。が、ものの見事に全て空振りに終わってしまった。
もう一回、今度こそ。いや、もう一度……。
何度、プライドに折り合いをつけながら、佐藤くんを誘惑したか。
しかし、佐藤くんの態度が変わることはなかった。
屈辱的だった。
だからこそ、わたしは手段にこだわることをやめ、噂の惚れ薬を利用することにしたのだった。これがあと一回……。失敗すれば打つ手が他になくなってしまう。
必ず佐藤くんをわたしの虜にして、屈服させてやる――。
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