魔女の惚れ薬

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 うん、とわたしはしおらしく頷く。 「惚れ薬を作って、僕の心を支配することが」  うん、と頷こうとして、すんでのところでわたしは動きを止めた。あれ、どうして佐藤くんがそのことを知っているの? 「どうしてって顔してるね」と佐藤くんは言った。「ジュースを飲んだとき、君の気持ちが伝わってきたのは本当だよ。はじめは大好きだとか特別になりたいなんて言葉がきこえてきたんだ。正直、面食らったよ」  佐藤くんはそこで一度言葉を切ってから、続きを口にした。 「でもそのあとは、僕が思い通りにならないことへの憤りや屈辱感、支配しようとする情熱ばかりが伝わってきたんだ」  わたしは衝撃のあまり言葉を失った。自分の表情が強張っていくのを感じる。 「僕は何度もジュースを飲んで確かめたけれど、内容は変らなかった。それで君の企てを丸々知ることになったんだ。きっと、」  佐藤くんは呆れたように溜息をついた。どこか怒っているような雰囲気さえある。  
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