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「へいへい」
口の中だけでそう言い、ぼくは手元を動かし続けた。
何度やっても、ぼくが作り上げた「世界」は滅亡エンドししか訪れなかった。様々な不確定な要素、所謂「バタフライ・エフェクト」の様なものがこの「世界」には発生し得るのは「なま物」なのでしょうがないのだけれど、それにしても、とりわけ「人」を登場させてしまうと一気に状況は悪化し、せっかく作った環境が破壊され、人同士でイザコザが絶えず、その癖科学力だけは我々に比肩しうるほどに発達して、自分たち以外の「知能」さえ作り出す。しかしそれをどうにも上手く使えないのが「人」の限界だった。
それに加えて度重なる疫病と環境を破壊した事で発声する飢饉などで、彼らは自分達を追いこんで行く。そして、二千何百年か行った所で、死に絶えてしまう。彼らは大抵、「外宇宙」に向かい、そこでも争いをして、そこでバッド・エンド。タイミングは違えど、終盤はほぼ同じ流れになってしまうのだ。
「アダムとイイヴとさ、蛇さんのとこを何とかしてみようか」
誰に言うでもなく、ぼく呟いた。
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