試行錯誤

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 ぼくは「世界」の異変に気付いた。  世界的に広まった疫病も収束して、大規模紛争が続いている筈だった。ところが。 「争いが終結したようですね」  興味深げにミカエルは「世界」を見ている。このケースは初めてだった。だいたいこの辺りから滅亡へのスピードが始まるのが常だったのだ。 「ほう」  ガブリエルも石板に何かを書き込んでいる。  どうやらさっき、くしゃみをしたのが影響しているのかもしれない。ぼくのくしゃみや咳は、「世界」のどこかでさざ波や生物の新種発生に繋がり、それが「バタフライ・エフェクト」になる可能性があった。 「これは面白くなって来たね」  ぼくはうんうんと頷いた。バッド・エンド回避もあるかもしれない。 「地球連邦を創設すると言ってますね」  ガブリエルが言う。 「これって、連邦内で争ってコロニー間紛争しやりするフラグなんじゃないですか」  ミカエルは懐疑的だ。 「まぁ、それでも。今までとは違う良い兆候じゃない?」  ぼくは二人の顔を交互に見た。 「確かに」二人同時に、頷いている。
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