憑依 終

4/4
前へ
/233ページ
次へ
 車内の注目が集まっていることに気付き、宇崎が人差し指を口に当てた。  阿久根は声を潜め、「い、いつの間に」 「私がただで帰るわけがないだろ。現場に落ちてたのを拾って来たんだよ」  この人は口裂け女よりも恐ろしい人だ、と阿久根は思った。 「もう口裂け女は消滅したでしょ」  だ、か、ら、と宇崎が言った。「こいつを使って口裂け女を復活させるんだ。まだこのハサミが残っているってことは、奴は完全に消えてないっていう証拠だ」 「けど、どうやって復活させるんです?」  宇崎が阿久根の頭を引っ叩く。 「そんなの今から考えるんだよ。とにかく、こいつで一攫千金を狙ってやるんだ」  宇崎はそう言って、ひひひひひひひひひひっ、と笑った。  to be continued?
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加