本編

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「川瀬」 ドアチャイムを鳴らし呼びかけると、 すぐにドアが開き、彼が顔を出した。 泣き腫らした目で僕を見つめる彼を 僕は迷いなく抱きしめた。 「岸野、俺」 そう言ったきり言葉にならない声を上げた 彼を玄関に押し戻しながら囁いた。 「朝までいてやる。もう忘れろ」 僕が許さないでいるからとは言わなかった。
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