演劇における舞台装置

1/1
前へ
/2ページ
次へ

演劇における舞台装置

 こんにちわ!桜舞春音です✨  さて、前ページの脚本「陰陽師A」は如何でしたでしょうか?  何故突然脚本なのかというと、それは桜舞春音が愛知県の高校の演劇部に所属し、脚本や舞台監督助手の仕事をしているからなんです!!  ということでこのページでは、舞台の装置や効果をご紹介いたします✨  まずはお手元に舞台の写真などを用意するか、イメージしてください。  まず、客席側からみて右側が「上手(かみて)」、左側が「下手(しもて)」といい、舞台上ではこの呼び方で方向を表します。これは、舞台上から客席側を見ている状態と客席側から舞台を見ている状態では左右が反転してしまうからです。仕込み(照明器具や大道具の調整をすること)の際に効率良く動くためこのような呼び方をします。  次に照明器具です。  学校の体育館の舞台に登って上を見ると、照明器具が吊るされていると思います。  これが吊り物です。劇場の舞台照明の多くは、教室の電気のような据え付けではなく、バトンというただの棒に吊るされたものが殆どです。バトンはサスとも呼ばれ、客席側を一サス、奥側を二サスと呼びます。  このバトンに吊るすのが、地明り(ぢあかり)と単サスです。  地明りは、舞台の床を照らす照明で、単サスは、ある一転を集中的に照らす照明です。  単サスは分かりやすく言うと、アニメなどで周りが暗い中そのキャラだけが照らされて心の声を言ったり語りをしたりする時のあれです(伝われ)。  そしてこの他に、舞台袖から照らすギャラリー、客席上から照らすシーリング(前明かり)などがあります。  これらの照明は、演者の表情や動きをよりはっきり見せて際立たせ、さらに感動的にします。  そしてここで押さえておきたい照明が、ホリゾント幕。舞台の一番後ろに、屏風折りの白い幕のようなものがあるのをみたことがありませんか?それがホリゾント幕、ホリ幕です。このホリ幕は、上と下に照明がついていて、上をアッパーホリゾントライト、下をローホリゾントライトと呼びます。このホリは、黄色や青、朱の色がラインナップされており、感情や夕焼け・朝焼けなど、色覚的な効果をもたらします。  また、暗転の中赤のホリを点け、演者をシルエットだけにすることでホラーな雰囲気も出したりできます。先月に行われた名古屋高校演劇第三地区大会で、瑞穂高校さんがこの使い方をしていました。  また、地明りもブルーやアンバーに調色出来るところが殆ど。  次に幕です。こちらも、学校の体育館の舞台をイメージしてください。  舞台袖に幕がありますよね。まず一番客席側にある分厚いのが緞帳(どんちょう)です。これが上がると劇が始まり、下がると終わります。稀に上げたまま始まるところもありますが^^;  その奥にあるのが引割幕(ひきわりまく)です。舞台の幅を調整し、装置や世界観に観客をより強く引き付けます。これはバトンの前か後ろに、二、三枚ついていて、完全に締め切ることはあまりありません。  そしてその後ろあたりにあるのが中割幕(なかわりまく)。これは引割幕と違い、完全に閉めることがほとんどです。舞台の奥行きを狭くします。  そして最奥にあるのが、ホリ幕を覆い隠す大黒幕(おおぐろまく)。ホリは使わない時は白く浮かび上がってしまい邪魔なので、大黒で隠し隠し。  幕の次は大道具。大道具は、舞台上で壁などを表すパネル、見えない場所を意味し、後ろにあるものを隠す影パネなどを指します。舞台上では、黒いものは見えないという扱いなのです。  まず、アクティングスペースの床となるのが平台(ひらだい)。舞台床から高さを嵩上げします。使わない場合も多く、春音もなんのために使うのか知りません^^;  その平台の前側や横側の、持ち手が見えてしまう部分を黒く隠すのが蹴込み(けこみ)です。    次に、パネル。これは寸角の角材とベニヤの板で作ることが殆ど。舞台上では、後ろに人形(にんぎょう)という本立てのようなものを取り付け、ウエイトで抑えることで人無しでも自立するよう作っています。にんぎょうは春音たちのやり方だと蝶番を使って開閉できる形にしています。  このパネルは家の中の壁を表すのに使うので、多くの場合白っぽい色になります。しかし、目隠しとして使う場合は、これが黒くなり、影パネになります。  大道具だと、愛知県の高校では南区にある大同高校さんがいつも凝っているようで、現に今年の県大会に出てきた時も、襖や引き戸をパネルに仕込むなどかなり手のこんだことをしていました。  そして次は小道具です。小道具は、衣装・鞄やコップ、食べ物、家具など、舞台の情景をより写実的に表します。食品は紙粘土で作ったりもします。  最後に、高校演劇における役職をご紹介します。  責任者は舞台監督。上演時間の計時や緞帳の上げ下げ、音響・照明とのインカムでのやり取りを行う総合統括係。  音響は音響卓、照明は調光室でそれぞれ器具の操作を行います。劇場に行く機会があれば、客席後ろを見てみてください。上の方に窓があります。それが調光室です。その下あたりにある剥き出しの放送器具のようなものが音響卓です✨  裏方は大道具や小道具の製作、管理を行います。人数に余裕がある学校さんでは、舞台の仕込みやバラしは裏方だけで行いますが、人数がない学校さんは演者も手伝います。  そして演者は、みなさんが演劇部とイメージするアクター。実際にお芝居をする人たちです。発声練習では、滑舌を良くする舌の筋肉のストレッチなどを行い、母音を強調して音の粒を立てるための「母音法」ということを行います。  母音法は、ある言葉の母音のみで言葉を言う練習です。  たとえば「こんにちは」なら「おんいいあ」といった具合に。母音が立つと音全体が粒立って聞き取りやすくなるのです。  そして、舞台全体の進行やストーリーを決めるのが脚本。というわけです。  如何でしたでしょうか?今回は桜舞春音が演劇部の知識を共有させていただきました!ぜひぜひ小説の資料や舞台作品へのリスペクトとしてくださいまし〜😄
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加