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「お色直し多いな。
どれも似合ってるが」
あんまり席に着いてないじゃないか、と侑矢が雛壇の上の綾都を見ながら文句を言う。
綾都は白とマリンブルーの、この会場にぴったりなドレスを着ていた。
「今着てるやつ、有名なデザイナーさんが作った、すごく高いやつらしいよ。
白神さんが似合うからそれにしろって言ったんだって」
と言った美鳥は笑いながら付け加える。
「ちなみに、白のマーメイドラインのウェディングドレスは妹さん。
さっき着てたオレンジのふわふわしたやつは花実さん、とか、それぞれみんなが選んだみたいで。
あんたの意見は何処なのよって感じなんだけど。
でも、どれも、よく似合ってるよね」
壇上に来て、酒をついでいる慶紀の友人たちに笑いながらなにか言っている綾都を見ながら、侑矢が悔しがる。
「くそっ。
同期の中では俺が一番親しかったのにっ。
綾都が見合いする前になにか言っておけばっ」
そこに、ビール瓶を手についで歩いていた花実が現れた。
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