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でも、開業して、まだ間がなさそうなのに、出費が増えて悪かったかな、と思ったのだが。
次のお客様が昔の政治家みたいな、着物を着て、でっぷりしたおじいさんで。
秘書の人なんかもついていて。
「あっ、湯田様っ。
またのお越しありがとうございますっ」
と温泉旅館かな? みたいな挨拶を占い師の人がしていたので。
あんなお金持ちそうな常連さんがいるのなら大丈夫だろう、となんとなく思ってしまった。
いや、偏見だが……。
そういえば、占い師さんが、
「僕、隠し芸で占いやりましょうか?」
と言ってくれたので、
いや、それ、隠し芸なのか?
と思いながら、
「あ、じゃあ、希望者の方の占い、してくださると嬉しいです。
代金はこちらでお支払いいたしますので」
と頼んでみた。
披露宴でのいいイベントになると思ったからだ。
「いえいえ、お代は結構です」
と言っていたが、あんなに女の子たちが頼んでるのなら、やっぱり、なにかお礼しなきゃな、と思い、眺めていた。
すると、客席の男性たちもチラチラそちらを眺めているようだった。
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