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手のなかには、母の身につけていた首飾りがあった。
ヤマガミの眼が大きく見開かれ、泪がこぼれた。
口がわなないて、言葉にならない。
「貴様、これから街道筋の治安を守る山賊になると誓え!」
ヤマガミは大きく鼻を啜ると、震える声で言った。
「……街道を守る山賊ですかい? 面白れぇおひとだね、イカルさんは」
ウトゥは今回の活躍により「剣聖」と呼ばれるようになり、ヤマガミは街道筋の往来を守る手厚い保護が評判となって「山神」と呼ばれるようになった。
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