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 恐らく別れ話だろう。  しかし、どうして山?  気の小さい彼は、わたしが泣いても、喚いても余り人に聞かれない、人目の少ない山を選んだのだろうか。  まさか、わたしを殺して山に埋める?  そんなサスペンスみたいなことにはならないと思うけど。  わたしは暗く沈んだ気持ちを抱えながら、彼の後に着いて山道を歩いた。
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