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「明日僕夕刊なんだよね。だから今日早く帰らせてもらったんだよ」
「それなら明日は午前にはいないといけないですね」
風呂を済ませた二人は、暗くした部屋の中でそれぞれの場所に寝そべっている。
新聞社の出社時間は朝刊か夕刊かの担当によって異なる。夕刊の記者の多くはサラリーマンの始業時刻あたりには取材場所にいる。朝刊の担当は夜から深夜、最悪の場合午前にかけてだ。もちろん篠原は例外である。
対して編集局はある程度記者が帰って来る昼前に夕刊の担当が、夕刊の刊行時刻あたりに朝刊の担当が出社する。五時間ほどで作業は終了するが、情報の変化や追加があると残業時間は青天井である。また、翌日朝まで記者の連絡を待つ編集者が入れ替わりで二人常駐している。
などという激務の環境により、編集局は朝夕の担当がほぼ固定されている。一日でも配置を入れ替えることはかなりイレギュラーなことだ。
「明日はさ、今日の記事のことも手伝わないとだから七時にはいときたいなあ」
「ストイックですね」
「そう?」
「できるだけギリギリまで行きたくないもんですよ、普通」
「まあ大事件だもん。いい記事にしたいよ」
会話はここで途切れた。宇草はすでに寝ぼけ始めていたから、寝言のようなものだったのかもしれない。
しばらくもしないうちに、篠原のまぶたもかなり重くなってきた。あまり親しくない魔法使いの家でリラックスして、寝静まってしまう。へんてこだがまた事実である。
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