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なんとかデバイスに届いた指を動かして、「グラヴィティ・リバース・ジェネレーター」を起動させた。この装置は局所的に重力を逆転させるもので、瓦礫を一瞬で持ち上げることができる。逆転した重力によってサラは瓦礫の山から抜け出し、そのまま浮遊する形で安全地帯に移動した。
だが、助かったのもつかの間、次なる危機が迫っていた。轟音がまた響き渡った。サラは、自分がいるエリア全体が崩壊の危機にさらされていることに気づいた。
サラは、「空間折り畳みポータル」を使用する決断をした。これは、空間そのものを折り畳み、瞬時に別の地点に移動する技術だった。しかし、この装置も使用できるのは一度きりだった。サラはポータルを開き、崩壊寸前のエリアから脱出し、エミリーが囚われている最深部へと移動した。
サラが転送された先は、地下にある広大な格納庫だった。そこには、彼女が最も恐れていた光景が広がっていた。エミリーが巨大な機械の中央に固定され、そこから伸びる無数のケーブルがエミリーの神経細胞を組織の中枢システムに接続していた。組織はエミリーの拷問の用意をしていたのだ。
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