終わらない迷宮の中で

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サラは瞬時に状況を分析し、さらにモジュレーターの出力を上げた。 空間は次々と形を変え、サラの動きを妨げようとするが、彼女はそれをすべて計算に入れていた。 ねじれた廊下を駆け抜けながら、サラは空間の歪みと共に自身の位置を調整し、敵の罠をかいくぐっていく。モジュレーターが発する光が彼女の周囲を包み込み、物理法則すら無意味なものとしていく。 サラは深い息を吸い、背後の影が動くのを感じた瞬間に体を低くかがめた。背中に熱を感じるのと同時に、エネルギー弾が頭上を掠めて飛び去り、壁に激しく当たって爆発音を上げた。 即座に反撃するため、手元のポケットから小型の手榴弾を取り出した。それは、彼女が開発した「EMPグレネード」だった。 彼女は無駄のない動作でそれを投げ放ち、瞬時に広がった青白い電磁パルスが敵のデバイスを一掃した。 金属のカチカチという音が響き渡り、敵兵たちの銃が無力な鉄塊に変わると、サラはその隙を突いて再び前進した。
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