終わらない迷宮の中で

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山を登り詰めるためには、サラは自身の限界を超えなければならなかった。彼女が立ち向かうべき山は、物理的な山道だけでなく、精神的な障害でもあった。 サラは、かつてないほどの疲労を感じていたが、エミリーを取り戻すために前進を続けた。組織の本拠地は、まるで要塞のように固く守られていて、その内部はさらに複雑に入り組んでいた。 山道は険しく、頂きに立つにはまだ多くの困難が待ち受けていた。しかし、サラはその一山を越えるたびに、新たな決意を胸に前進し続けた。彼女は娘を救うために、どんな困難にも立ち向かう覚悟を決めていた。 サラが廊下の角を曲がった瞬間、目の前の光景が一変した。 無機質な金属の壁と床が突然消え去り、代わりに広大な砂漠が彼女を包み込んだ。空は不気味なほど澄み切り、太陽は地平線の向こうで揺らめいているように見える。 熱波が地面から立ち上り、彼女の視界を歪ませた。その足元には細かい砂粒が無数に散らばり、風が吹き抜けるたびに彼女の視界を奪った。しかしサラは、これが現実ではないことを瞬時に見抜いた。
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